バタフライスツールの特徴
左右対称のシンプルで美しいフォルム。バタフライスツールは1954年に柳宗理氏にデザインされた椅子である。
一般的な椅子は脚~背もたれ~座面、という構成となっていることに対し、バタフライスツールは2枚の左右対称の曲木のみで構成されている。
バタフライスツールというその名のごとく、羽ばたきそうな非常に軽やかな表現となっており、座っても大丈夫かと躊躇してしまいそうにもなる。一見、奇をてらったデザインのようにも思えるが、2枚の板が2つに割れたお尻を支える様子は、意外に理に適っているようにも見え、曲木のしなり具合も、絶妙に丁度いいようである。
バタフライスツールの構成
バタフライスツールは同じ型の2枚の成型合板を金属棒で支持する構成となっている。
成形合板はセブンチェアなど、名作椅子で広く使われている構法だが、柳氏がイームズを訪れた際に、成形合板で作られたイームズの代表作レッグスプリントを見て、インスピレーションを得たという。(※レッグスプリントとは、イームズが成形合板を用いて考案した、負傷した人間の足を固定する添え木である。)
足元が緩いカーブを描いているのは、もともと畳の上で使用できるようにとデザインされているらしく、畳を傷つけない配慮から。しかし、見た目の特徴からか、玄関に置いている方が多いようである。(確かにわかる気がする。)
デザインしてから早い段階で大きく評価され、1957年第11回ミラノ・トリエンナーレに招待出品し、金賞を受賞。またパリのルーブル美術館、MoMA)など著名な美術館に収集されており、長年親しまれる椅子になっている。
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