ふと立ち寄った本屋で手にした本。
時間術の本は読み比べしたいと思っていたので、その皮切りに1冊読んでみた。
全体を通じ非常に読みやすく、早い人は数時間で読み切れてしまうのではないか。この手の本で無駄に挿話などを盛り込まれたものに比べ、要点がはっきりと簡潔に書かれているので理解しやすいと思う。
時間術とは、つまり生活習慣の改善ということができ、本書では脳科学に基づき、集中力を最大限発揮できる生活習慣のつくりかたについて、具体的なタイムスケジュールと合わせて解説されている。1日、1週間を単位として、本人の体験も踏まえ具体性が高い。
樺沢紫苑氏は精神科医
著者の樺沢紫苑氏は、精神科医でありながらyoutuberでもあるという、精力的に活動されている方である。
本書も、著者のキャラクターがよく出ており、医師としての専門的な知見を交えながらも、一般の人まで届くように非常にわかりやすい言葉で書かれている。
『神・時間術』本文からの引用
以下に、本文中、目に留まった内容を箇条書きで記していく。
- 本書で紹介する時間術を図で示すと、横軸には「時間」、縦軸には「集中力」がきます。
- 人は追い込まれると、脳内でノルアドレナリンが分泌されます。ノルアドレナリンは、集中力を高め、学習能力を高め、脳を研ぎ澄まします。結果として、脳は最高のパフォーマンスを発揮するのです。
- 作業を開始した最小の効率の高い状態を「初頭努力」。作業終了間際の頑張りを「終末努力」といいます。つまり、時間を決めて作業を行う場合、作業の最初と、終了間際の2回集中力が高まるのです。
- 朝の30分は夜の2時間に匹敵するのです。
- 人間の脳は、視覚情報の処理に脳のキャパシティの90%を使っているといわれています。~(中略)~「視覚」以外の刺激を与えることが、「癒やし」につながる。つまり、脳を休めることになるのです。
- 24時間の中で緩急のリズムをつけます。私はこれを、「宵越しのストレスは持たない生き方」として推奨しています。
- 夜のリセット術としておすすめの時間の使い方は、「交流」です。~(中略)~人と交流することによって、脳下垂体からオキシトシンが分泌されます。
- 寝る前に食事をすると、成長ホルモンが分泌されません。成長ホルモンには、つまり、空腹のときには出やすく、満腹で血糖が高い状態では、ほとんど分泌されません。
- 「人間は寝る前に考えた人間になる」という言葉がありますが、これは心理学的に正しいのです。~(中略)~寝る前に、「今日あった楽しかった出来事を1つ思い出す」ようにしましょう。
- 運動には、集中力をアップさせるほかに、様々な効果があることはすでにお伝えしてきました。その中でも、運動すると「成長ホルモン」が分泌されるというのは、とても重要なことです。
- 休日は普段していないことをするのが、身体を休めることになり、脳を活性化させることになるのです。
- 多くの論文が示すところによると、人間の脳はマルチタスクができません。一度に二つのことを処理することは、脳科学的には不可能なのです。一見して、同時処理しているようで、脳の中で高速で二つの回路を切り替えているだけなのです。
- 自分の「楽しい」がわかっている人は、その「楽しい」時間を増やすように工夫をすることです。~(中略)~そのために必要なのは、遊びの「ToDoリスト」です。
まとめと感想
上段の抜出も抜粋したつもりが、結構な量になったというのは、本書が良書であるからであろう。
重要な点を咀嚼し、自分の生活にも組み込んでいきたいと思う。
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