レオパの飼育における温度環境の重要性について
今からレオパを飼い始めたいと思っているあなた。
温度環境は絶対に妥協しないでしっかりつくってほしい。
爬虫類は変温動物である。そのため、適正な温度帯の環境にいてはじめて体が正常に機能する。
消化不良、拒食、脱皮不全、卵詰まり‥。初心者のレオパ飼育の失敗の多くが、適切な温度をつくれていないことに起因する。
では何を揃えて、どんな環境をつくれば良いのか?
説明しよう。
レオパの温度帯をつくる上で重要な2つの考え方
レオパの温度環境を整える上で、重要な2つの考え方がある。
「最低温度」と「温度勾配」である。
ケージ全体を一定以上の温度で保つ
例えば、ケージの中で、あるスポットは30℃あるけどその他の場所は20℃くらいしかない。これではダメである。
レオパにとって適正な温度帯は、諸説あるが、27ー30℃程度が適正であると思う。つまりケージ全体で最低温度を27℃程度には保っておきたい。
ケージ温度が25℃くらいまで下がってくると、個体差はあるが餌食いが落ちてくる傾向にある。
ケージ全体を暖める3つの方法
1つ目は放射型の暖房器具を用いてケージ全体をカバーする方法。
これはレオパを少数で飼育する人向けの方法。従来、暖突という商品が主流だったが、最近はヒーティングトップという商品がでており、僕としてはそちらをお勧めする。ただし、レプタイルボックスなどのアクリルの上に直置きすることはできないので注意してほしい。
2つ目は温室をつくり、温室内の温度を一定以上キープする方法。
複数飼育する場合はこちらの方法が効率的である。
ちなみに僕はこの方法をとっている。
自作温室の制作記録をこちらの記事でまとめているので参考にしてほしい。
温室をつくる際には、ヒートケーブルを用いるのもおすすめだ。(リンクを貼ったが、ケーブル長さは用途によって要確認!)
ヒートケーブルは比較的ケージ全体を温めつつ、後述する温度勾配もつくりやすい。
ただし、ヒートケーブルは使い方を誤ると、塩ビケースなどを溶かしてしまうほど高温になることがあるので、必ず後述するサーモスタッドと併用の上、注意して使ってほしい。
3つ目は爬虫類部屋をつくり、エアコンで一括温度管理をする方法。
多くの個体を飼っている場合、1室まるまるエアコンで管理したほうが手間も電気代も安くなる場合が多い。
温度管理にはサーモスタッドが必須
エアコン以外の方法でケージ温度を保つためには、サーモスタッドが必須となる。
ただ熱源を置くだけでは、ケージ温度が上がり過ぎて、サウナのようになってしまう。サーモスタッドをおくことで、ケージの温度を検知し、設定温度以上になった際には熱源の電源をOFFにしてくれる。
生体の安全にもつながる上、電気代も安くすることができるわけだ。
サーモスタッドにも色々な種類があるが、温度だけを制御する簡易なものであれば、3000円程度で購入できる。
グレードが高いものは時間帯ごとに温度を分けることができ、なおかつ照明のコントロールもできる。
こちらはバスキング用の照明も管理できるもので、昼行性のトカゲを飼う時などによく使われる。
レオパを飼育する場合でも、昼夜で温度を変え、夜の温度を少し下げることで、より自然に近い状況が再現できる。
さらにずっと高温だと消化器官が活動し続けてしまうため、時間帯により温度を下げてあげることで、レオパの休息にもつなげることができる。
温度勾配をつくり選択性のある環境をつくる
もうひとつの大事な考え方は温度勾配だ。
例えばケージ全体が27℃で一定に保たれているよりも、27℃の場所もあれば30℃の場所もある、というようにケージの中にも微気候をつくってあげるのだ。
そうすることで、例えば餌の消化を促したいから少し暖かいところに移動しよう、というようにレオパ自身に選択性を与えることができる。
よく推奨されているのはパネルヒーター:通称パネヒだ。
下からお腹の部分を暖めるヒートスポットをつくることで積極的に消化を促進させてあげよう、というものである。
だが、正直僕はパネヒは使用していない。空気温度全体がしっかりと管理されていて、ある程度の温度勾配がつくれているのであれば、必ずしもヒートスポットをつくらなくてもレオパの健康は管理できると考えている。実際もう3年以上もその方法で飼育しているが、特に問題は起きていない。
念のため、誤解なきように書いておくが、必ずしもヒートスポットはなくても良いが、温度勾配自体はあるべきだと僕は考えている。
温度の確認には非接触型の温度計が便利
起き型の温度計をケージ内に設置する場合をよく見るが、個人的におすすめするのは、非接触式の温度計。
これであれば、ケージのどこでも温度を測ることができ、温度勾配の確認も容易である。複数匹飼育する場合にも都度温度計を買い足す必要もない。
おすすめである。
初心者がやってしまいがちな失敗
よく初心者がやってしまいがちな失敗は、ヒートマットなどでスポットの温度だけをつくり、ケージ全体の温度を上げることを妥協してしまうことだ。
レオパが暖かい場所を選ぶだろうから大丈夫だろう!と思うかもしれないが、これをやってしまうと、消化不良、脱皮不全、拒食、卵詰まりといった何かしらの器官の不具合につながりやすい。実際、そのような飼育の失敗例をいくつも見てきた。
万が一、温度環境をうまく作ることができずレオパの調子が崩れてしまったときは、レオパの下痢やはき戻しについてまとめた記事を作成しているので、こちらを参照し冷静に対処してほしい。
まとめ
繰り返しになるが、爬虫類にとって適切な温度環境は、もっとも重要なファクターである。
レオパードゲッコーは爬虫類の中では、丈夫で飼いやすい種である。最初にしっかりと環境をつくってあげれば、長いことあなたの良いパートナーになってくれること間違いない。
お迎えの準備にあたり、ケージなどの準備についてはこちらの記事でまとめている。準備がこれから、という人は是非こちらも参照いただきたい。
ぜひ妥協せずにしっかりと準備をして万全の状態でレオパをお迎えしてもらえることを望む。
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